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アートを飾るメリット

オフィスや病院など、法人でアートを飾ると何故良いのか?

それは投資に見合う具体的なメリットがあるからです。

メリットとは次の4つです。

  1. 会社のブランディング・イメージアップに貢献

  2. 人材の確保に貢献

  3. 知的生産性アップ

  4. 健康や人生を豊かに変える(病院、介護現場)

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壁面のアートフォトはMatthew Jordan Smithの作品です

http://matthewjordansmith.com/

それぞれについて、具体的にお話ししたいと思います。

1)会社のブランディング・イメージアップに貢献

昨今、ブランドの重要性が叫ばれています。ブランド理論のエキスパート、ブラッドオーケンが、その著書「はじめて学ぶブランドマネジメント」の中で次のように述べています。

最近まで、市販商品を取り扱う企業のマーケティング担当者だけが、ブランド・マネジメントとブランディングに関心があった。しかし、今日ではあらゆる組織が、ブランディングの重要性に気づき始めている。

〜中略〜

なぜこのマーケティング手法に人気があるのか。商品のコモディティー化(ノーブランド化)が進んで選択肢が増えている時代に、ブランドは十把一絡げの状況を乗り越える簡単な方法である。

ブランドのアイデンディティと言ったとき、ほとんどの人は、ブランド名、ロゴ、キャッチフレーズのことを考えるだろう。しかし、アイデンディティは、これだけで構成されているのではない。ブランドが示す姿勢や個性、字体、色、シンボル、ブランドのメッセージや視覚的な様式、音楽やそのほかの記憶の助けとなるもの、キャラクターやタレント、プロダクト・デザイン、パッケージ・デザインなど、あげだしたら切りがない。

 

オフィスを訪れた、顧客や取引先、求職者などが初めに出会う「顔」がオフィスのレセプションです。

通されたホールの椅子に腰を下ろして見渡すと、そこに会社のブランドのアイデンティティが現れていなければなりません。

その企業がブランドアイデンティティを表すために意思を持って選択して飾ったアートは、見る人に無言で、しかし強烈なブランドイメージを残すことになるのではないでしょうか?

​もちろん、これはオフィスに限らず、ホテルやレストラン、美容室など様々なビジネスにも当てはまります。

2)人材の確保に貢献

個人的な経験による話になりますが、ご参考にはなるかと思います。

人材確保の材料としてオフィスがおしゃれなことは、特に女性を採用するにはとても重要なファクターになるということを直感していたため、以前勤めていた会社でオフィスを移転した際に、ほとんどのオフィス家具をIKEAで揃え、また、多くの壁面にアートな写真を飾りました。

移転後しばらくして営業事務の女性を2人ほど採用する必要があり、アルバイト募集サイトにオフィスの写真を数枚掲載しました。

結果は?

 

なんと、すぐに100名を超える応募がありました。そしてその8割が女性でした。

採用面接時に、「応募した時に、何に興味を持ちましたか?」と質問してみたところ、応募した女性の大半が「オフィスがおしゃれだったから」と答えました。仮説通りでした!

実際に採用した女性スタッフは、とても能力が高く、精神的にも落ち着いた方達でした。

オフィス環境に敏感な方は、仕事についてもスマートでありたいと思うのではないでしょうか。

3)知的生産性アップ

 

人は一日の1/3を睡眠に1/3を通勤とプライベートに、そして1/3を仕事に使っています。

一年に換算すると、実に120日、2900時間も仕事に費やしています。

もし、オフィスワーカーであれば、この時間をずっとオフィスで過ごすことになります。

この膨大な時間を過ごすオフィスの環境に、そこで働く人は無意識に心理的な影響を受けないはずがありません。

グローバル化が進む中、ビジネスのスピードは益々増してきています。

また、AI技術が発達する中、ホワイトカラーの労働生産性の向上の必要性が益々叫ばれるようになってきています。

さらには失敗をできるだけ抑えようと、常にリサーチに基づく論理的で合理的な判断が強く求められます。

こんな環境では息が詰まりそうで良いアイデアやチームワークなど築くことなどできるでしょうか。

時短や福利厚生の充実など、労働環境の改善は今後益々重要になってくることでしょう。

「山椒は小粒つでもピリリと辛い」などと言いますが、薬味や香辛料を主食にすることはできませんし、それだけ食べても美味しいものではありません。

しかし、料理にちょっと加えるだけで、料理の質が劇的に変わることは皆さん経験としてお分かりになっていることと思います。

アートはそういったものではないでしょうか?

オフィス環境にアートを添えるだけで、無機質な空間は劇的に変わります。

見た目が変わるのではなく、そこに居住あるいは滞在する人に対して心理的に絶大な効果を発揮するのです。

オフィス全体を大改装するのではなく、アートを添えることで、大改装にも匹敵するような心理的効果を得られるなら、これほど投資対効果の高いものはありません。

4)健康や人生を豊かに変える(病院、介護現場)

アートの力は医療や介護の現場でも力を発揮します。

 

NHKクローズアップ現代で、医療や介護を変えようというさまざまな取り組みが世界中で始まっていることをレポートしていました。英国のある病院では、アートの導入によって入院日数短縮、鎮痛剤使用量の減少、認知症の症状改善などの効果が確認され始め、医療費や病院の運営経費の大幅な節減にもつながっているそうです。また、日本でも、アートの力で病院内の課題解決や地域の人との新たなつながりを育む、さまざまな試みが始まっているようです。

 

ある日本の病院がアートを取り入れたのは、精神科の小児病棟で起きたある問題がきっかけだったと番組では説明しています。アートを取り入れる前は、入院生活のストレスなどから、子どもたちが壁や扉を壊すといったことが後を絶たなかったそうです。このため、子どもたちの心を癒やしたいと考えた結果、子どもと一緒に壁画を描くという試みにたどり着きました。鳥たちが集まる大きなくすのきを描いてから壁を壊す行為はピタリとやんだそうです。

 

ここまで具体的で深刻な問題でなくても、アートが飾られていることで介護施設なでは、飾られた絵を見ながら会話が弾み、コミュニケーションが非常によくなることも考えられます。

 

アートというのは、健康や人生を豊かにする力があるのです。

 

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